桂馬はそのトリッキーな動きゆえに初心者の頃は使いづらいですよね。桂の高跳び歩の餌食 (えじき)の格言でも知られるように、考え無しに跳ねると歩の餌食になることも多いです。初心者の頃は「この駒使いにくいなぁー」と思うこともありますよね。これはなにも初心者だけでなく、中級者や上級者でも桂馬の使い方に頭を悩ませています。
どのタイミングで桂馬を跳ねればいいのか、どの駒と組み合わせるといいのか等悩みはつきません。
とっかかりがないように思えますが、桂馬の手筋を知ることで桂馬をうまく使いこなす糸口をつかめます。
今回はそんな使いづらいイメージの桂馬の手筋について解説していきます。この記事を読めば桂馬一枚強くなれます。
また、桂馬がうまく使えるようになると、自然と棋力も伸びていきます。桂馬が上手に使えるだけでも将棋での手の見え方が違ってきますので、しっかり身につけましょう。
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ふんどしの桂

これは桂馬の手筋の中でも王道中の王道です。というか手筋の基本中の基本です。ただこれを使う局面がなかなかないと思うかもしれませんが、ほかの手筋と組み合わせることで現れる機会も増えます。
まずは基本的な形からどのようにふんどしの桂を使いこなすのか見ていきましょう。
まずは、ふんどしの桂馬の基本からです。下の図を確認して下さい。
この局面は角と飛車が横に並んでいます。そして持ち駒に桂馬があります。
桂馬は下の様に動けます。
そして将棋は1手づつ交代で指しますので、2つの駒を同時に動かすことはできません。たとえば角を移動させて飛車も移動させることはできません。反則です。もう一度下の図を見てみましょう。

何を指しますか。

そうです。5四桂馬ですね。
これでもし飛車が逃げたとしても角をとることができますし、角が逃げたとしても飛車を取ることができます。
このように将棋の「1手ずつ」しかさせないというルールがあるので、飛車と角を両方とれる状態にする両取りは有効になることが多いです。そのほかの手筋も両取りにするものが多数出てきますので両取りの考え方は覚えておきましょう。
ここで余談ですが、ただこの手筋使うときに注意が必要です。下のような局面だと逃げられてしまいます。


8六角と角が出てきただけですが、これが王手になっています。つまりまず王手を防がなくてはいけないので、桂馬で飛車を取ることができません。ここで玉が5八や4八と逃げれば、飛車を別のところに移動させることで、桂馬で飛車を取られることを防げます。このようにふんどしの桂馬に限らず、両取りの手筋の時には王手で切り返される手があるので注意が必要です。
先ほどの局面では角で王手をする手以外にも、5二飛車と一つずれることでも角を取られることを防ぐことができます。

これはもし桂馬で角を取ると、飛車で玉が取られてしまいます。間接的に王手となっています。
何はともあれ、ふんどしの桂馬は実用性の高い手筋なので覚えておきましょう。
継ぎ桂馬
継ぎ桂とは、桂馬を継ぎ足すと書く通りの手筋です。言葉で説明していても伝わりにくいと思うので、早速局面図を見ていきます。下の局面で何を指すか。

この局面初めのころはなかなか思いつきにくいと思いますが、継ぎ桂の手筋を紹介するところなので、察しがつくと思います。

7四桂馬打と継ぎ足すのです。
(※実はこれ、継ぎ桂と歩越しの桂馬の併用の手筋ですが、歩越しの桂はまだ別記事で触れます。)
初心者の皆さんは「え?」ただやんと思うかもしれません。では見ていきましょう。とりあえず歩で桂馬を取り去ります。すると相手も桂馬で歩を取り返し、再び王手をします。

この局面相手は王手なので、9二や7一の地点に逃げ込むと下のように金を8二に貼り付けて詰んでしまいますね。


ここでは7三玉と逃げるしかありません。

ここで先手は玉の背後から8二角と王手をしてきます。

さて、ここまできたらもうお分かりかと思います。
実は先ほど桂馬を打った時から相手の玉は詰んでいたのです。
仮に、7四玉と桂馬をとっても、7五金と頭から金を打たれて詰んでしまいます。

頭金は詰みの解説の時に説明したのですぐわかったと思います。
詰みについては以下の記事を参考にしてください。
また、8四玉と逃げても上と同じで7五金と打たれて詰みに打ち取っています。

継ぎ桂の威力がわかっていただけたでしょうか。駒がただで取られてしまうという心理的な弊害がありますが、手筋として継ぎ桂を知っていれば容易に答えまで導けると思います。
まとめ
桂馬の手筋を二つ解説しました。いかがだったでしょうか。
おそらく一人で将棋をしつづけていても、たどりつくことはできないと思います。
これは先人たちがたくさん将棋を繰り返してきた中で出てきた手筋です。
ひとつひとつの手筋を確実に身に付けることで、今までさせなかった手が指せるようになり、局面ごとで何を指したらいいのか迷うことがなくなってきます。たくさんの手筋を身に付けていましょう。
次回は桂馬のそのほかの手筋についても見ていきましょう。
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