将棋は歩からといいますが、やはり歩の使い方がうまくなると将棋は上達していきます。何気ない局面でも歩の手筋から考えていくと大きな失敗もなく、局面を進めていけます。まずは歩から!そして今回は継ぎ歩の手筋を紹介します。なるべく1手1手進めていくのでついてきてください。
スポンサーリンク
継ぎ歩とは
継ぎ歩は文字通り歩を継ぎ足して打っていく手筋です。ことばだけではイメージしにくいと思いますが継ぎ足して継ぎ足していく秘伝のタレみたいなものです。・・・いえ違います。
実際に手筋を見ていきましょう。では基本図は下です。
何気ない局面に見えますがここで、先手に歩の手筋があります。手持ちに歩が3枚ありますので、歩の手筋ですが、まずはあれからです。
▲2四歩が習いのある手筋です。先日紹介した歩の手筋の合わせの歩です。
次に2三歩成があるので、相手は放置するわけにはいきませんので歩を取ります。
ここで▲2四飛車としてはまったく意味がありません。2三歩と打たれて飛車を引かされてしまいます。1手パスした形になります。よく上の図を確認してください。今回のテーマは継ぎ歩です。
▲2五歩打ちです。これが習わなきゃできない手筋ですね。なぜ継ぎ歩をするのか。後々わかってきます。この2五歩打ちに対しても相手は放置できません。放置すると▲2四歩と進められて次に▲2三歩成を見せられます。確認してください。
ここでは素直に歩を取る変化を見ていきます。
さてここまできたらなんだか歩を捨てているだけに見えると思います。
しかしこの局面よく確認してください。これも先日教えた手筋が使えます。
後手の歩の裏に歩を打つ▲2四歩が正解となります。これも先日確認した垂れ歩という手筋です。
先ほどの局面である下の図を確認してください。
この局面では垂れ歩をしたくても2四に相手の歩がいます。相手の駒がいるところには駒を打つことはできません。自分が打ちたいところに相手の駒がいる場合には、相手の駒をずらしてしまえばいいのです。
この「ずらす」という感覚はとても大切になりますので覚えておきましょう。
今回のテーマである継ぎ歩は、相手の駒をずらしたり、自分の駒を使いやすいように移動させる手筋と言えます。
▲が2四歩打~2五歩打とすることで相手の歩を上ずらせて、2四に歩を打てるスペースを作ったのです。
スポンサーリンク
垂れ歩の局面に戻ります。
ここで相手は無難に3四歩と角の活用しようとします。
垂れ歩は歩成を狙う手筋ですがいまのままだと2三歩成となっても金で取られてしまいます。そういう場合にはどうするか。応援を増やせばいいですね。
▲2五飛が正解です。2三の地点に先手の歩と飛車が効いています。後手は金しか効いていません。これが数の攻めです。
次に▲2三歩成を受けることができません。相手は当然歩成で角と金の両取りにされるのは嫌なので角が逃げて下の局面です。
さてここは当初の予定通りに・・・。
▲2三歩成で先手の攻めが炸裂しています。最初の局面と見比べてみてください。何もないように見えた局面から数手進むだけで飛車先を突破してしまいました。
相手は当然金を取られるわけにはいきませんので、金が逃げます。
※ちなみにここで後手が2三金と「と金」を取ると、2三飛車成とされて先手大成功となります。
さてここでもう一つの歩の手筋があります。まだ紹介していませんし、ちょっと知らないとさせない手です。
当然2二と金でも悪くはありません。ほかの手のほうが効率よく攻めれます。
▲3二と金が正解です。「え?せっかく作ったと金なのに?」と思うかもしれませんがどうなるか確認していきましょう。
上の局面を確認すると、まず、「と金で金を取るぞ」と迫っている手と、「2一の桂馬を飛車で取って飛車が成るぞ」という手の二つの手が発生しています。
相手は二つの手を同時に防ぐ方法がありません。
まず、金でと金を取ったとすると、
相手は「と金で金をとるぞ」という手は防ぎました。しかしもう一方の手は防げていません。
▲2一飛車成で大成功です。桂馬も取れて飛車が成れた上に3二の金も取れそうな形です。
もう一度3二と金とした局面に戻ります。
相手は金でと金を払うとよくならなかったので、「2一の桂馬を飛車で取って飛車が成るぞ」という手を防ごうとします。後手の場合どうしますか。
△3三桂馬がいい手です。局面は完全に先手がいいですが、なぜいい手なのか。これは桂馬で2五の飛車を取れる形になっています。
仮に先手が▲4二と金と、金を取ったとすると、
先手は「わーい金をとったぜ」と思っていますが、
△2五桂馬で飛車が取られてしまうわけです。
先ほどの桂馬が跳ねた局面ですが、
この局面は間接的に「と金で金を取るぞ」と迫っている手を防いでいるわけです。
この間接的に片方の手を防ぐという感覚も大切ですので覚えておいてください。
後手が3三桂馬と跳ねた局面どうするかというと
当然ですが、▲2一飛車成です。桂馬を取られる手は防ぎましたが、依然として4二と金と、金を取られる手は継続中です。飛車成ができたので先手の攻めは大成功です。
この後は後手が△4三金と逃げるでしょうが、▲3三と金や▲1一竜と手順に桂馬と香車を拾っていけば優勢を広げることができます。
継ぎ歩の威力わかりましたか。
まとめ
今回は継ぎ歩を見ていきました。
継ぎ歩は、歩を継ぎ足して打っていく手筋ですが、その目的は相手の駒をずらすことです。
ずらしの手筋とも言えます。
また、途中間接的に相手の手を防ぐという感覚についても触れましたが、再度局面を確認して感覚を吸収してください。
継ぎ歩の手筋を紹介しましたが、いろんな手筋や感覚、考え方にも触れました。脱線することもありますが、これからもお付き合いください。
スポンサーリンク
コメント