定跡

初心者向け定跡講座!先手矢倉VS原始棒銀の受け方と対策!

矢倉を目指して指しているのに後手から原始棒銀で攻められて訳も分からずに負けてしまうということはありませんか?悔しくて定跡がないか?対策や受け方がないかと探してはいませんか?

 

こんにちは、こんばんわ!
当サイト『はちみつ将棋カフェ』の管理人のはちみつ(@hachimitsushogi)です。

 

がっちり組みあって縦からのじっくりした攻め合いをしたいと思っているのに、相手から原始棒銀で仕掛けられるとそうはいきませんよね?

 

受け方がわからないままだとこれからも負け続けてしまいますよ?

 

できれば有利な変化や勝ちやすい変化に持ち込んで余裕をもって撃退したいものです。

 

そこで今回は、先手矢倉(あなた)VS後手原始棒銀の基本方針を確認してから、原始棒銀に対しての受け方、定跡を解説していきます。これを読めば、10分後には原始棒銀を撃退できるよう担っていますよ。

 

先手矢倉の原始棒銀撃退作戦・方針とは?

原始棒銀へは飛車先を突破されてもがっちり受けて中央で戦いを起こしていくのが基本的な方針です。

原始棒銀は攻め駒である飛車、角、銀、歩の4者が協力しあっているためすべてを受け止めることは不可能です。

後手の飛車先を突破されてしまうことになっても、しっかりと受けて飛車(竜)に活躍されないようにして戦えばいいのです。

そこを念頭に置いて対策を確認していけば理解も早いでしょう。

 

また、級位者から段位者になるためには、戦いが起こる場所への感覚が大切になってきます。自分の玉からどのくらいの位置で戦いが起こるのか、相手の玉とどのくらいのところで戦いが起こるのかを考えながらさせると昇段も近いでしょう。

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先手矢倉と対原始棒銀戦への序盤組み方と定跡

まず先手矢倉を組んでいる途中に相手が原始棒銀とわかるまでを解説していきます。といっても見分け方は簡単です。

本来であれば矢倉戦は攻め(飛車先の歩、銀の前線進出)を保留して矢倉囲いを優先する作戦です。

つまり逆に飛車先の歩を突いたり、銀を前線に繰り出す手が出れば原始棒銀と判断してよいでしょう。具体的な手は、△8五歩、△7二銀~△8三銀~△8四銀といった手です。

 

では初手から順番に見ていきましょう。

 

▲7六歩 △8四歩 ▲6八銀 △3四歩 ▲6六歩

さて、ここまで矢倉の定跡とおりの進行です。角道を開けられたら角交換を防ぐために▲6六歩が基本ながら大切な一手です。

 

 

△8五歩

さっそく先ほど確認した△8五歩が出てきました。これは飛車先の歩を交換しようとしている手です。つまり攻めの手を優先しているので、後手が囲いを保留して攻めを優先しようとしている=急戦志向であることがわかります。

 

矢倉戦に置いて飛車先の歩を得ることは、攻めの手段が増えて特になることが多いので、無条件に許してはいけない手です。

 

飛車先の歩の交換を防ぐのに基本中の基本の手がありますよね。

 

▲7七銀 △7二銀

▲7七銀と出て、飛車先の歩を交換されないように銀の応援を送ります。

後手の攻めの準備はまだまだ終わりません。先ほど確認した△7二銀も指しています。ここまでさされればほぼ後手の戦型は原始棒銀で間違いありません。

 

そもそも矢倉戦、居飛車戦において右の銀の使い方重要でできれば相手の出方に合わせて柔軟に対応できるように▲4八銀(or△6二銀)と使いたいものです。

 

そこを△7二銀と使ってきているのは8筋に使いたいからです。つまり棒銀をしたいということをいっているようなものなのです。

 

 

▲7八金

後手が原始棒銀を狙っていることがわかったので悠長に右銀を活用しようとしたりすると受けが遅れてしまいます。

相手の手を見て相手の戦型や狙いを察知して、指し手を決めて対応していくこと、臨機応変さが将棋に求められる力です。指示待ち厨はだめですよ!

 

棒銀ということは左辺で戦いが起こりやすい。だから先手は▲7八金と上がって戦いに備えます。

 

△8三銀 ▲5六歩

なおも後手は銀を前線に進めるべく手を重ねています。

先手は先にも確認したとおり左辺は最小限の対策で済まして、中央で戦いを起こす準備のため▲5六歩と指して様子を見ます。

 

 

△8四銀 ▲7九角

△8四銀とすれば、完全に原始棒銀の形になっています。後手の飛車先に歩、銀が一直線の棒のように並んでいますね。

棒銀の目標になりやすい角を逃がして8六の地点に角の利きが届くように準備をします。次は▲6八角とするのが狙いです。

 

 

△6四歩 ▲6八角

後手は△6四歩と角のラインを活かせるように準備をしています。後手のつぎの狙いは△6五歩として角道を強引に開けさせることです。

先手は先ほど確認したとおり、まずは▲6八角として角を活用して相手の飛車先を先受けしておきます。

 

 

△6五歩 ▲同 歩 △9五銀

後手は狙い通り、△6五歩と強引に後手の角が使えるように歩で角のラインをこじ開けて、棒銀を仕掛けてきました。

さて、ここまで来て『あーー受けがない』と思うなかれ!

ここからが原始棒銀への対策ですよ!

 

 

▲5五歩!!

ここで後手の角のラインを止める▲5五歩が狙いの一着です。ここでもし△8六歩から仕掛けてきても数が先手のほうがおおくしかけれないことを確認してください。

つまり後手はこの歩を角でとるしかないのですが・・・・。

 

 

△同 角 ▲5八飛!!

後手が角で歩を取り去った後、宙に浮いている角を狙って眠っていた飛車を活用するのがハッとする手です。これはなかなか自分で思いつくのは難しいと思います。

もし角が2二の地点に逃げると▲5三飛車成の王手になりますので、後手の応手はいくつかあります。

 

下に3つの応手の例を示していますが、本記事では△8六歩から棒銀を仕掛けてくる筋を解説します。

 

▲5八飛に対する応手の例
  • △8六歩(本記事)
  • △5四歩
  • △4四角

 

分岐△8六歩(本記事)

分岐△5四歩

分岐△4四角

どれも有力と思いますが、原始棒銀の狙いは飛車先の突破なのでシンプルに△8六歩と仕掛けてくる筋を今回の記事では紹介します。最も激しい手順になります。

 

 

再掲載図 △8六歩

後手の△8六歩はシンプルに△8七歩成を狙っている手なので手抜きするわけにはいきません。

 

▲同 歩 △同 銀

狙いとおり、棒銀の仕掛けをしてきていますが、ここでようやく浮いている角を取り払いましょう。

 

▲5五飛

これで相手の角をとれており、先手には飛車成が見えていますので有利になっています。しかし、先手が攻めに転じれるのはもう少し先です(笑)

 

△7七銀成 ▲同 桂 △8九飛成 ▲7九銀

後手は角を取られたのでゆっくり指していると悪くなります。そのため飛車を成り込んできて大暴れしようとしてきます。

 

最後の銀打ちのところを節約して▲7九金引きなどとすると、下の図のように△6七歩が厳しいので節約せずにしっかり銀で受けるのが形です。

 

 

 

△6七歩▲4六角

銀打ちに対してもなおも、執拗に丸い角の頭を狙う△6七歩がいやらしい手です。

△6七歩に対して▲同金と取り払いたくなりますが、下の図のように、△7八銀が痛打となりますのでここはしぶしぶ角を逃げるしかありません。

 

 

 

△6八銀 ▲4八玉

さてもうそろそろ後手の攻め筋がなくなりますよ。

最後の足掻きのように後手は△6八銀と持ち駒を打ち込んできます。

ここで初心者はすべて素直にとってしまいがちですが清算してしまうと一気に後手が指しやすくなってしまいます。ここは軽く玉がフワッと逃げるのが好手です。

よく見てみるとこれ以上後手が先手玉に迫る手がないと思いませんか?

なおも後手は暴れようとしてきますが。

 

 

△7九銀成 ▲同 金 △9九龍

玉が逃げられたので、放っておくと銀や歩を取り払われて取り付く島がなくなるので、しぶしぶ銀を取りますが、龍取りに金を引かれて香を取りつつ竜が逃げます。

 

ここで方針をもう一度確認しておきます。『飛車先を突破されてもがっちりと受け止めてから攻めに転じる』でしたね。

 

 

▲8八銀 △9八龍 ▲6四歩

竜を活用される前にがっちりと受け止める▲8八銀△9八竜で、後手の竜はしばらく使い物にならなくなります。竜がどこにも動けなくなっているのを確認してください。

ここまで安全になればあとはシンプルな手を続けていくだけで先手が良くなっていきます。

まずは歩成を見せつつ、飛車の横利きも通す▲6四歩が気持ちのいい手です。先手の歩成と飛車成の両方を受けるには、金が上がるしかありませんが・・・。

 

△5二金右 ▲8五飛

後手は中央の歩成や飛車成を受けて△5二金としますが、ここで飛車を大きく8筋に転換するのが気持ちのいい手です。間接的に飛車を受けにも利かせているのもポイントです。

このあと桂馬を取りながら飛車成、6三の地点に駒を打ち込む、▲5五角と角を活用するなどの手が見えて先手優勢は間違いありません。

 

まとめ

原始棒銀に対して中央で戦いを起こしていく手順を紹介してきました。

原始棒銀に限らず、急戦になるときには前兆の手が存在します。矢倉をするのであればそのような急戦調の手を敏感に感じ取って対応、臨機応変さを養っていきましょう。

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