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初心者が理解できる簡単な原始中飛車の定跡を解説講座~攻め方と囲い方~

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 初心者がまず覚えるのは棒銀と原始中飛車とよく言われているのは聞くのですが、棒銀の定跡書は数知れずありますが、原始中飛車を解説した定跡書ってあったかなという感じです。原始中飛車をあいまいな形で指している人も多くいると思うので、初心者でもわかるように簡単な原始中飛車の解説をしていきます。これを読めば同級生には負けないぜ!

 

 

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目次

原始中飛車とは

 原始中飛車とは当然ですが、中飛車のうちの1つで、初手に飛車を真ん中に持ってきて、相手の飛車先をケアしながら、囲いは片美濃囲いを目指す指し方です。シンプルですよね。そして何より相手の形を気にしなくてもいいところも魅力です。また、初心者の方には特にいいのが、序盤早々に角交換する変化がないので、めちゃくちゃな乱戦等にもなりにくいところもいいですよね。

では、原始中飛車がどのような形を目指すべきなのかを確認しておきましょう。

下の図が目指す形です。

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原始中飛車というだけあって、飛車を真ん中に振ります。そして囲いは片美濃囲いと言われる形です。

相手の飛車先を受けるために7八金と上がりケアしてるのも重要なところです。

まずこの形を覚えましょう。歩が一つも動いていないのもわかりやすいですよね。

動かすのは歩より下に配置されている駒だけです。

 

形だけではわかりにくいので、序盤での方針を確認してきます。

 

まず、先手であろうと後手であろうと初めに指すのは、飛車を真ん中に持ってくる▲5八飛車(△5二飛車)です。

 

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早々に「こちらは中飛車を指しますよ」と宣言して構いません。この一手を指さなくては王様を囲うこともできませんので。

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飛車を振った後には、相手からの飛車先の歩交換に備える▲7八金(△3二金)です。これは相手が△8五歩(▲2五歩)としてきた場合には必ず必要です。後で解説しますのでまずは視覚的に形を覚えてください。

 

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飛車と金を動かした後には、先手であれば▲4八玉~▲3八玉~▲2八玉~▲3八銀と片美濃囲いに囲います

 

ここまでの指し手は、わずか6手!!

このように少ない手数で自陣の陣形を整えることができる戦法は多くありません。とても魅力的ですね^^

このわずか6手で完成する陣形が原始中飛車の基本となります。しっかり目に焼き付けてください。

それでは次に相手ありきで見ていきましょう。

 

 

原始中飛車の序盤の定跡

それでは原始中飛車の序盤の定跡について解説していきます。1手ずつゆっくりいきますのでわからないところは戻って確認しながらマスターしていってください。初心者の方が思う「なぜそう指さなくてはいけないのか」という疑問になるべく回答しながら解説しているつもりですが、わかりにくいところがあればコメント欄までご連絡ください。

※便宜上先手後手逆にしています。後手番の解説をしておけば先手にも応用しやすいですからね。

 

 

それではスタートです。

初手から、△8四歩、▲5八飛車

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上の解説でも説明しましたが、先手後手関係なく初めに指すのは飛車を中央に移動させる▲5八飛車です。

この一手で原始中飛車をやると宣言します。

 

1手目以降 △8五歩

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相手が飛車先を伸ばしてきました。ここでは▲7八金と飛車先を受けることが重要です。

なので下の図になります。

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ここでもし、7八金と受けなかったらどうなるのか見ていきましょう。

 

2手目△8五歩 再掲図

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再掲図より▲4八玉、△8六歩

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相手が△8五歩と5段目まで歩を伸ばしてきたところを、受けずに玉の囲いを優先した場合にはひどい目にあいます。相手は当然△8六歩と飛車先を伸ばしてきます。これは次に△8七歩成をされたらひどいので当然ぶつかった歩を取りますが、、、。

 

4手目△8六歩以降 ▲8六同歩、△8六同飛車

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さて、相手が飛車先の歩を切ってきました。これでなんともないように見えますが、次は8七の地点に隙があるので、相手の飛車が△8七飛車成と竜を作ることができてしまいます。仮に先手が囲いを優先して3八玉とするとその瞬間に8七飛車成とされて一気に不利な局面になります。

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このように竜がつくられてしまってはだめだということは初心者の方々でもわかると思います。

もう一度飛車先の歩を交換された局面に戻ります。

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8七の地点に隙があるなら、その隙をなくすために▲7八金と上がると・・・。

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金が上がって飛車成はありませんが、▲8七歩と歩を打たれます。これは図を割愛しますが、▲8七同金と取ると、△8七飛車成と金を取られて竜を作られますし、放置しても、△8八歩成と角を取られてしまいます。

このようになってはひっくり返っても勝てません。

 

後手が△8五歩(or先手2五歩)と飛車先の歩を伸ばしてきた場合には必ず▲7八金(or△3二金)と上がって受けましょう。

2手目8五歩以降 ▲7八金

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このように飛車先の歩を交換されるのに備えておけば・・・。

 

3手目以降 △8六歩

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ここで先ほどと同様に後手が飛車先の歩を交換してきたとしても、

 

4手目以降 ▲8六同歩 △8六同飛車 ▲8七歩!!

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先ほどは相手から歩を打たれた場所に歩を打つことができます。これを後手が△同飛車と取ると、金で飛車を取られてしまいますので、逃げるしかありません。

 

7手目以降 ▲8七歩 △8二飛車

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飛車先の歩を交換されましたが、飛車を追い返すことに成功しました。

このように何気なく動かす金の動き一つでも一気に形勢を損ねることがあるので、意味をしっかり理解して指しましょう。

相手の飛車先の歩が5段目(△8五歩or▲2五歩)まできたときには、角の丸い頭を金上り(▲7八金or△3二金)でカバーしてあげましょう!

 

 

さて、飛車先の争いがひと段落ついたので先手後手ともに陣形の整備に入ります。

上で確認したとおり、先手側は相手の陣形にかかわらず▲4八玉~3八玉~2八玉~3八銀と一目散に美濃囲いを完成させます。

8手目以降 ▲4八玉

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9手目以降 △3四歩 ▲3八玉

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相手は角道を通してきますが、角は向かいあっていないので角交換されることはありません。気にせずに囲っていきます。

 

11手目以降 △6二銀 ▲2八玉

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相手は攻めの銀を移動させますが、すぐに攻めがあるわけではないです。とにかく囲います。

 

13手目以降 △4二玉 ▲3八銀 △3二玉

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相手もようやく玉を移動させ囲いはじましたが、先手は片美濃囲いが完成しました。

これで基本の陣形は完成です。

ね?簡単でしょ?

このように相手の陣形に左右されずに基本陣形を築くことができるのが、初心者に勧められるゆえんですね!

しかも初心者がやりがちな居玉も避けることができるのでおすすめです。将棋の格言にも「居玉は避けよ」というものもあります。棒銀戦法を使うとどうしても居玉のまま攻めに全力で手数を使う初心者が後を絶ちません。

原始中飛車は将棋の基本ともいえるまず囲う(=自陣の陣形を整える)ところから入るので、王様が流れ弾に当たりにくいいちまで囲うことができ、しっかり戦うことができます。

 

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原始中飛車の攻め方

 

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さて、上の図で先手側は片美濃囲いが完成し、原始中飛車側は陣形が整いつつあります。ここから攻め方を説明していきますが、その前に重要な手を紹介しておきます。

 

16手目以降 ▲5九飛車

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この飛車を下に引く手が重要なのです。この1手の意味は初心者の方にはなかなか難しいかもしれませんが、後々の銀の割り打ち筋を未然に防いでいるのです。

ちなみに銀の手筋である割り打ちの銀は下のような手です。

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すぐには現れませんが、先ほどの基本図から▲7六歩と角道を開けて、角や銀といった駒を交換する変化があります。銀の割り打ちは銀のみでなく、角でも応用されることのある手筋です。今後の展開を予測して未然に▲5九飛車と引くことで万全の体制で戦うことができます。

 

 

17手目▲5九飛車以降 △5二金右

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後手も舟囲いという居飛車の基本の囲いを完成させました。

ここから居飛車は天守閣美濃や居飛車穴熊等の囲いに発展させることが可能です。当然手数はかかりますけどね。

現時点では先手の片美濃囲いのほうが、後手の舟囲いよりも堅いです。堅いというよりは遠いです。堅い理由はいろいろありますが、一番は玉の位置です。先手の玉は2筋の2八の位置にいますが、後手の玉は3筋の3二の位置にいます。

原始中飛車なので当然戦闘は中央でおきます。戦場から遠ければ遠いほどダメージを受けにくいというのはどのゲームでも同じだと思いますが、まさに視覚的にも先手の玉のほうが戦場から遠いのです。

これが一番の堅い理由になります。囲いは堅ければ堅いほどいいですね。堅ければ堅い囲いほど手数が必要になるんですけどね(笑)

攻めと守りのバランスが重要ってことですね。

 

18手目△5二金右 再掲図

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さて、ここまで自陣を整えてきた原始中飛車側ですが、万全の体制が出来上がったのでいよいよ攻めていきます。

攻める手なので中飛車なので当然この一手ですね。

18手目以降 ▲5六歩

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中飛車なので中央から攻めます。中央で攻めるためには、歩を前進させていきます。

5五の位を取らせる戦い方もありますが、今回は原始中飛車側の攻め方をみるために△5四歩と突き返してきます。

 

19手目以降 △5四歩 ▲7六歩

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5五の地点は相手の5四歩と角が効いているので仕掛けると駒損してしまいます。駒が足りないなら足せばいいじゃないかということで▲7六歩と角道を開けます。角が向き合うので怖いかもしれませんがこちらには角打ちの隙はありませんので安心して突いてください。

 

21手目以降 △7四歩

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この7四歩は価値の高い手で、意味としては「攻め駒を前進させますよ」△7四歩をつくことで桂馬が△7三桂馬と跳ねる手や△7三銀と前進できるようになります。居飛車側を持つときにはタイミングを見て突いていくことになります。

 

さて、相手も攻める準備をはじめてきましたが、こちらは一気に攻めの形へと持っていきます。まずは意表のこの一手から。

22手目以降 ▲2二角成

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こちらから意表の角交換をします。先ほども言った通り先手側には角打ちの隙はありません。ここにはある狙いがあります。

 

原始中飛車の狙いを知るために少し後手には付き合ってもらいます。ちなみにかなりぬるい手を連発しますが悪しからず。

 

23手目以降 △2二同銀 ▲6八銀

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角交換に備えて7九の位置で待機していた銀を前線へ繰り出していきます。角交換から銀を前へもっていくというシンプルな手順です。

 

25手目以降 △1四歩

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居飛車の税金ともいわれる端を突いてきます。この手で後手は懐が広がります。後々に端攻めなども考慮して端は突いておくのがいいでしょう。

 

26手目以降 ▲7七銀 △3三銀 ▲6六銀

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銀をずんずんと前へ出していきます。銀で中央を狙われているので、後手も銀を上げて対抗してきます。

 

29手目以降 △1五歩 ▲5五歩

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後手は相手が端を突いてこないので、△1五歩と突き越してきます。この一手で一気に先手の囲いが窮屈になったように感じませんか。時と場合によりますが、基本的には美濃囲いをするときには端を突き返すの定跡です。美濃の端を突くことで緊急回避用の小部屋(1七の地点)ができます。基本的には突き返しましょう。

今回は端を突くことよりも中央でポイントを上げるために5五歩と矢継ぎ早に攻めていきます。

 

31手目以降 △5五同歩 ▲5五同銀

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33手目以降 △4二金上

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中央で先手が動いてきたので後手も中央を厚くするために金を中央へ聞かせる▲4二金上としてきますが・・・。

 

34手目以降 ▲7七桂!!

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ここで先手の桂馬が跳ねる▲7七桂馬が急所の一手です。

振り飛車がうまくいっているかの目安が、左桂馬の活用です。このようになんの障害もなく▲7七桂馬と跳ねることができれば申し分ありません。桂馬はこの後6五の地点まで跳ねて5三の地点を狙っていきます。

 

35手目以降 △9四歩 ▲5四歩打

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後手は悠長に9四歩と突いておいてもらいます(笑)居飛車の税金と先ほども言った通りこの一手は後々の9五角と打たれる筋等を消している重要な手なのですが、局面によります。今回はぬるすぎます。中央に備えるのが大切なのですが、、、。

先手は中央を制圧する5四歩打です。

これで5筋の制空権は先手のものです。ここから怒涛の攻めが炸裂します。

 

37手目以降 △9五歩 ▲6五桂馬!

 

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この桂跳ねで勝負ありです。この桂馬の跳ねを「天使の跳躍」と表現する人もいますがまさにそんな一手です。▲6五桂馬と跳ねたことで5三の地点に桂馬が効いています。

 

39手目以降 △7三桂馬

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後手も桂馬を取ろうと、△7三桂馬と跳ねますが、、、、。

 

40手目以降 ▲7三同桂馬 △同銀

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この桂馬はいったん回収します。7三の桂馬を取り返したことで、銀が中央から遠ざかってしまいました。

ここでも執拗に中央を攻める手が急所ですが・・・。

 

42手目以降 ▲4五桂馬!!

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これで流れるような攻めが実現します。

 

43手目以降 △4四銀 ▲同銀 △同歩

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桂頭の銀が手筋ですが、今回はそこに銀が効いていますので銀が取られてしまいます。

桂取りに歩を突けましたが・・・。

 

4六手目以降 ▲5三歩成!!

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この歩成で中央突破が確定します。

 

47手目以降  △同金 ▲同桂成 △同金 ▲同飛車成!!

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ほあちゃーーーーー!!!

これで原始中飛車のわざありです。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は原始中飛車の囲い方から基本的な中央突破の攻め方を紹介しました。

後手がぬるい手をたくさんさしてもらい狙いを示しましたが、初心者同士の戦いならば実現可能と思います。

中央に殺到して攻め倒しましょう!

 

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