さて皆さん三間飛車指してますか?
え?指してない?今から始めるだって?
おすすめの三間飛車の本を知りたい?
だったらこのページで正解ですね!!
三間飛車党の管理人が送る今から三間飛車を指す人におすすめしたい三間飛車の棋書「三間飛車新時代 (マイナビ将棋BOOKS)」を紹介します。
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独自定跡の土俵で闘える三間飛車が熱い!
三間飛車を指そうと思う理由はなんでしょうか。
最近の将棋界でも三間飛車は再評価されています。
元々対穴熊戦で中田功先生が考案したコーヤン流や格調高い作戦の真部流などがあったものの、それらの戦法では穴熊を倒すことが難しかったというのがあります。
しかし、ここに来て対穴熊対策としてトマホークやかなけん流などの穴熊対策が現れ、また三間飛車バージョンで藤井システムを目指す三間飛車藤井システムまで出現してきました。
そしてトマホークやかなけん流の穴熊対策をまとめたのが今回紹介する「三間飛車新時代 (マイナビ将棋BOOKS)」です。
こちらの本では小倉先生と山本先生の合作で三間飛車における対穴熊対策をまとめたものとなっています。
対穴熊対策のトマホークが市民権をえてきた
三間飛車党の中では密かに人気があり、優秀な戦法として存在していたトマホークですが、この本でがっつりと解説されてしまい市民権を得てしまいまいた泣
トマホークを知らない人もいると思うので簡単に解説しておくと、トマホークとはアマチュア高段者のタップダイスさん考案とされる対5筋不突き型穴熊への戦法です。
相手が穴熊に入った瞬間を狙って端から桂馬を跳ねて角道と端攻めで攻めつぶすのが狙いとなっています。
管理人のように穴熊サイドがほとんど知識がない戦法で食い物にしてきた人たちにとっては悲しい知らせとともに、自分たちの定跡や指し手のどこが悪かったを点検する内容となっています。
かなけんシステムまでも解説されている
かなけんシステムって聞いてもピンとこない人も多勢いるとおもいます。あれ?このくだりさっきもしたような、、、。
かなけんシステムとは、その名のとおりでアマチュア高段者のかなけんさん考案とされる対穴熊戦法です。
以前までは穴熊対策には三間飛車側の5筋の歩を突いて、銀を4筋3筋2筋で使う戦法がほとんどだったのですが、こちらは銀が腰掛けて6筋7筋から飛車先を突破する棒銀戦法なんです。
相手の穴熊が組み上がる前に仕掛けて飛車交換を狙い不安定な形を咎めるのが狙いとなっています。
三間飛車新時代の目次をチェック
目次の確認からしていきましょう。
各章は以下のようなページ数になっています。
- 第1章 ▲4六銀型石田流(5~19P) 計14P
- 第2章 急戦向かい飛車(2 1~41P) 計20P
- 第3章 三間飛車穴態(4 3~8 1P) 計38P
- 第4章 トマホーク (8 3~1 0 6 P) 計23P
- 第5章 ▲5六銀揺さぶりのかなけんシステム(107~132P) 計25P
- 第6章 流行りの△ 3一玉型左美濃(1 3 3 ~ 1 50P) 計17P
- 第7章 自戦記(151~193P) 計42P
- 第8章 次の一手(1 95~21 4P) 計 9P
定跡には各章ある程度の濃さはあるものの、深く変化を突き詰めたり最善手のみを追っていく展開ではありません。
後ほど詳しくいいますが、どちらかというとそれぞれに対して成功パターンを数個提示して終わりといった感じです。
どんな人におすすめか?
以下の3つのパターンの人におすすめです。
- 三間飛車を今から始める方
- すでに三間飛車を指しているけど、真部流、コーヤン流でうまく戦えていない方
- 対穴熊戦へのバリエーションを増やしたい方。
上記の方々におすすめします。
既存の棋書にはない変化も多く紹介されていますし、三間飛車独特の手筋や捌き方も多く載っています。
居飛車側に押さえこまれて困っているという方にもおすすめします。
本書のおすすめの使い方
本書のおすすめの使い方は、対穴熊戦で使いたい戦法を決めてから読み始めるというもの。
以下の組み合わせが一例です。
対穴熊戦への三間飛車の対策
【組み合わせのパターン】
▲5七銀型三間飛車
▲4六銀型石田流(5~1 9P) +三間飛車穴熊(43~81P)
▲5六銀型三間飛車
トマホーク(83~106P)+▲ 5六銀揺さぶりのかなけんシステム(107~132P)
上記の二つどちらを指すか決めてから読み始めて実戦で試してみると、飽きずに読破出来
ると思います。まぁ基本的に内容が爽快すらすら読めるんで大丈夫だとは思いますけど。
▲4六銀型石田流+三間飛車穴熊は片や石田流で激しい捌きを武器に相手を圧倒する戦法
ですし、片や三間飛車穴熊は固く囲ってからさばきにいく実践的にも勝ちやすい戦法です。
ただ、こちらの戦法は本書で解説している内容がどちらも、後手居飛車が5筋の歩を突い
てくる△5四歩型の穴熊のため、5筋不突き型の穴熊にされたときの対策は事前に準備して
おくといいかもしれません。
一方のトマホーク+かなけんシステム(▲5六銀揺さぶり)は居飛車の5筋の歩がどの位置
にあるのかによって指しわけることができるのでオススメします。
当サイト管理人もトマホーク+かなけんシステムを使い分けて指しているので、当サイトの記事を参考にしてもらえるとより嬉しいですし励みになりますね(笑)
5筋不突き型の穴熊ならトマホークでの端桂+角のにらみで攻め潰しを狙えますし、かなけんシステムであれば相手の不備を突いて豪快に飛車をさばいたり、幽霊角を見せながら攻めたりと変幻自在の指し回しを体得できますよ。···管理人はまだ体得途中ですが(笑)
上記のように使い分けをすると読む範囲を削れて集中して定跡を勉強でき、効率良く新戦法を習得できますよ。
悪い点
若干ココセが多い気もする
級位者向けにも書かれているせいか、居飛車側の対応で疑問手が多いような気がします。
級位者に向けて成功すると「三間飛車が良くなります」「こんないい手があります」と解説するためなので悪くはないと思います。
実戦で試して疑問に感じた点や困った局面についてはその都度ソフトや感想戦で研究して精度を高める必要があります。
三間飛車対穴熊の入門書と考えればものすごく良書です。
高段者は自分で研究しなくて身体に染み込ませていかなくてはいけないと思います。
急戦はほとんど解説がない
そのため、急戦に関しては別の棋書の「これだけで勝てる 三間飛車のコツ (マイナビ将棋BOOKS)」「鈴木先生本」などで補完する必要があります。
ただ、対穴熊への対策に4種類も紹介しているのでしょうがないかなとも感じます。
下手に急戦を解説しても中途半端になりますからね。
三間飛車を初めて使うという方はまず「これだけで勝てる 三間飛車のコツ (マイナビ将棋BOOKS)」を手にとることをおすすめします。
こちらでは急戦に対する対応方法の概要を知ることができます。
これだけで勝てる 三間飛車のコツ (マイナビ将棋BOOKS)
また、三間飛車どころか将棋を始めたばかりで何から勉強したらいいか迷っているという方には、「三間飛車戦法―軽快に豪快に一気に寄せきる (将棋必勝シリーズ)」の本をおすすめします。
こちらの本は、序盤の序盤。一手一手の意味や違う手を指すとどんな失敗をするかなど悪い手、そして修正手をしっかりと解説しているので初心者の方にもおすすめします。
三間飛車戦法―軽快に豪快に一気に寄せきる (将棋必勝シリーズ)
ただ今紹介した二つの棋書は三間飛車の入門書なので、急戦のみでなく、対左美濃、対穴熊対策も書かれています。
急戦のみを勉強したい、ココセなしのもっと詳しい内容を勉強したいという方には、青野先生著の「先手三間飛車破り」をおすすめします。こちらはタイトル通りで、居飛車目線でかかれているのですが、どちらにも肩入れせず最善手を尽きつめているので下手な本を読むよりはこちらの本を読んだ方が参考になるかもしれません。ただ、かなり古い本なので高いです。キンドルバージョンであれば安く入手できますよ。
また最近猛威を振るっているエルモ囲いの対策に苦慮しているかたや困っている方にはこちらの「必勝 三間飛車破り (マイナビ将棋BOOKS)」をおすすめします。
居飛車目線で書かていますが、三間飛車側も居飛車側の狙いをしていると対応もしやすくなりますよね。もっとも最新の定跡が乗っているのがこちらですね。
全て先手番で解説されている
解説されているすべての戦法、すべての局面が先手番で解説されています。
後手で一手遅れている場合には当てはまらない局面なども多数あります。
余談になりますが、ウォーズで2段で指している管理人は三間飛車を主に後手で指すので、意外と「三間飛車新時代」の局面にならずに困ってしまうこともあります。
しかし、おおむね本書の変化や部分一致する局面になるので大丈夫ですよ。もっと高段同士の戦いでは問題になってくるかもしれませんが汗。
急戦向かい飛車の需要ってどのくらいあるのだろうか。
第2章に急戦向かい飛車の定跡が紹介されているのですが、どれくらいの需要があるのでしょうかと思ってしまいました。
たしかに解説されている内容は参考になり、やってみたいと思うのですが、先手番で飛車を振り直してまで急戦向かい飛車をやるメリットを感じませんでした。
まぁ管理人が後手で三間飛車を狙っている関係上、先手側が先に飛車先の歩を▲2五歩と伸ばしてくるケースが多いので、三間飛車に振るよりそのまま向かい飛車に振ってしまえばいいではないかとおもってしまいます。
先手番で急戦向かい飛車を使うくらいならば、本書の後に出版された佐藤和俊先生が書かれた「緩急自在の新戦法! 三間飛車藤井システム (マイナビ将棋BOOKS)」を使った方が対応力、楽しさともに高いと思います。
あえて飛車を振り直して一手損するくらいならば端を伸ばしたり金を守りに動かしたりする手を優先したいですよね。
緩急自在の新戦法! 三間飛車藤井システム (マイナビ将棋BOOKS)
自戦記+次の一手で51ページも使っている
毎度毎度いろんな棋書の評価をしていますが、自戦記と次の一手には苦言を呈していて恐縮です。しかし、ここはアマチュアの方全員の意見と思い発言させてください。
自戦記と次の一手にページを割くなら、定跡部分の充実をしてほしいです。
前述の目次を参照してもらえればわかりますが、各章20~40P前後で解説が終了しています。自戦記+次の一手で51ページ使うのであればそれぞれ10ページほど増やして厄介な手や強気な手の解説をしてほしかったですね。
次の一手は極論しっかり定跡部分を読めば要りませんし、自戦記も苦戦したもの、課題が
残るものであればいいですが、快勝したものを乗せてもあまり参考にならなかったりしま
す。
良い点
まぁいろいろ言ってますけど、私はこの棋書でいまいちすっきりしないトマホークの定跡、かなけんシステムの定跡を確認できたのは最高に助かりました!!また、プロ棋士も実際に実戦で指しているので、プロでも通用する戦法と証明されたのでどんどん研究していこうという気持ちになれました。
級位者には、おそらく知らない人が多い定跡、戦法ばかりなので待ちまくれること間違いなしです!!
ではその他の良い点もざっとまとめておきましょう。
とにかく情報量が半端なく多い
小倉先生と山本先生と二人の棋士が自分の研究を出し合っているためとにかく戦法の豊富さ、手筋の多さ、情報量の多さが尋常ではありません。
戦法に関していえば6種、相手の囲いでいえば対穴熊、対銀冠、対左美濃そして最新の升田式美濃の形にも触れているため、4種もの対策を学べます。
今すぐ実戦でも生きてくる局面ばかりです。というかウォーズで数局やれば必ず自分がしたい戦型に誘導できると思います。
管理人はおもに三間飛車側の5筋歩突きを保留して、トマホークとかなけんシステムを使って戦っています。
まぁ情報量が多いということは逆に細かい部分の定跡や局面の検討などはほとんどありません。それぞれの戦法での成功パターンが3つほど紹介されているので、すらすら読めます。しかし、細かい部分は自分で研究する必要が出てくるでしょう。
各戦法に3つほどの成功パターンが書かれている
各戦法で3つの成功パターンが書かれているため、ストレスなく、すらすら読めてなおかつ実践でも再現率が高いと来てます。これは初心者にはありがたいのではないでしょうか。
対穴熊に対しての戦法を4種類も紹介している
対穴熊戦への三間飛車側の対策·戦法を以下の4種も紹介しています。
- ▲4六銀型石田流
- 三間飛車穴態
- トマホーク
- ▲5六銀揺さぶり (かなけんシステム)
これだけ豊富に紹介されているので、自分の棋風にあったものを選択できますし、「三間飛車新時代」で1種類ずつ勉強して実戦で試して行くのも面白いと思います。
先程紹介した2パターンのうちどちらかを採用していれば有る程度のレベルで指せると思
います。
第4章のトマホーク編での端の考え方が秀逸
個人的な話で申し訳ないですが、管理人は本書を読むまでは早い段階で端を突いて穴熊の打診をしていました。
しかし、本書ではできるだけ端を突くのを保留して相手の出方を見てから端を突いていくタイミングを解説しています。
この端歩を突くタイミングがもっとも参考になりました。
特にトマホークはかなけんシステムとの併用が大事になるんですが、トマホークは端攻め、かなけんシステムは左辺で戦うと相反する部分が存在します。
そこで端を突くか突かないかで手数に大きな差がでます。
端を保留することで居飛車側が5筋を突いてくるのか突いてこないのかをギリギリまで確認してからギリギリ間に合うタイミングで端を突いていく。
くうーーー!!この感覚身につけるだけでワンランク上に昇った気になります。(当社比)
この端を突くタイミングは是非本書を手にとって確認してみてくださいね。
まとめ
それぞれの戦法の成功パターンが3つほど解説されているのでストレスフリーにサクサク読めます。
そして実戦での再現率も非常に高いです。
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強い人は自分の成功パターンに引きずり込むのがとてもうまいと思いますが、序盤で自分の土俵(成功しやすい戦法)に引きずりこめれば、より勝ちやすいですよね。
この棋書を読めば豊富な戦法の中から自分に合った対穴熊戦法を見つけることができるので、勝率も確実に上昇するでしょう!!(追記:というか上昇して将棋ウォーズで二段になれました!!)
あなたも三間飛車を指して、相手が穴熊をしてきたとき「ニヤリ」としませんか?穴熊をされるのが嬉しくなるなんてそんな楽しいことはないですよね!
急戦に関しては当サイトの定跡講座も参考にしてみてくださいね。また、この本だけで三間飛車が指しこなせるわけではないです。急戦に関しては別途勉強が必要なので注意してくださいね。
コメント
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